花芽誘導って、いったいなに?
多くのイチゴは、気温がひくく(15℃くらい)、夜が長くなると、はじめて花芽を作ります。この合図がそろうのは秋から冬だけ。だから春から夏(5月〜10月ごろ)は、ふつう収穫できないのです。
しかも、農家の苗を工場に持ちこむと、ハダニやアブラムシがまざったり、病気が出たりして、うまく育つのは半分くらい……という大変さもありました。
イチゴは病気に弱いので、ふつうは殺菌剤や殺虫剤(農薬)を使います。すると、ほんの少しだけ農薬が実に残ることがあります。日本ではそのまま売れますが、農薬のルールがきびしい台湾などへは輸出できず、毎年こまっていました。
でも、虫の入らないとじた植物工場なら、農薬を使わずに育てられます。だから安心して外国にも届けられるんです。
これまでは、さむさ・短い日ざしで2週間以上がんばっても、あとで条件を戻すと花芽が葉にもどってしまうことがありました。
ところが竹葉先生の新しい方法は、芽が出たばかりの苗に、たった2〜4日の処理をするだけ。すると、そのあと出てくる芽がぜんぶ花芽に! どんな条件でも、ランナー(つる)にまで、ずっと花芽をつけ続けるのです。まさに「完ぺきな花芽づくり」。
🍳 まほうのレシピ(特許の中身)
ふた葉が開いたイチゴの苗に、栄養をふくまない「水道水」をあげながら、 青色の光(400〜500nm)を2〜4日つづけてあてる。たったこれだけ! 「栄養をあげない(=ちょっとしたストレス)」+「青い光」が、花芽のスイッチを入れるカギなんだ。
特許の実験では、光の色と水のちがいで、花芽ができる割合をくらべました。すると―― 窒素(栄養)のない水道水に青色光を当てたときだけ、20株ぜんぶ(100%)が花芽をつけました。栄養のある養液や、赤い光では0%。ちがいはハッキリです!
植物が花をつけるかどうかは、①日の長さ ②ストレス ③年れい(Age) の3つで決まります。「桃栗(ももくり)三年、柿八年」というのは③の例ですね。
竹葉先生の方法は、このうち②ストレスを上手に使ったもの。雨が長く降らないと竹がいっせいに花を咲かせることがありますが、あれもストレスによる開花です。イチゴでストレスを使って花芽を作ったのは、世界で初めての発見なんです!
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